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弊社日記

セルフ出版社、隙間社による日記。
KDPのことや作品紹介が中心です。
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『職業としての小説家』村上春樹
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    珍しく昼からこんにちは、弊社です。

    さて隙間的読書感想文(いま決めたタイトル)、第2回目。今日の本は村上春樹氏の『職業としての小説家』です。

    村上春樹、なんとも扱いにくい作家ではないでしょうか。氏の作品に対する評価は絶対値が大きく、下手に褒めると『はいはいハルキストね』などと言われ、下手にけなすと『春樹だからって批判したいだけでしょ、斜に構えちゃってまあ…』などと叩かれてしまうのです。

    ですが今回はそんなことは抜きにして、ただただ読んで思ったことを書き連ねていこうかと思います。

    まずこの本について説明すると、小説家・村上春樹が自身の小説とその小説の周辺のことについて語っている本であり、いわゆる自伝的エッセイにもなっているというものです。後半の、氏がアメリカに拠点を移し『ニューヨーカー』に小説が掲載されるまでのくだりなんて非常に読み応えがあります。

    読んでいてまず思ったのは、読みやすいこと。プロの文章(しかもエッセイ)が読みやすいのは当然といえば当然なのですが、氏の文章は小説も含め、読み手に浸透しやすい文章です。もちろんその文章・文体が苦手という方もいるのですが、これはあくまでわたしの感想です。

    ちょっと個人的なことを書かせて下さい。数年前に、私は小説の文章が全く読めなくなるという時期がありました。小説の文章が、全て文字の羅列にしか見えなくなったのです。ちょうど図書館に入り浸り小説や批評系の本を浴びるように読んでいた時期の後なので、その反動だったのだろう思います。

    本屋に行き気になる本を開けど、そこにあるのは味気ない印刷された文字の塊でしかないのです。なかなかの衝撃でした。このままずっと小説が読めなくなるのかなという恐怖もありました。いまでも覚えています。日暮里の駅に入っている本屋でそのことに気が付いたときの、あの血の気が引く感じ。

    それから、呆然としながら家に帰り、寝れば治るといいきかせその日は就寝しました。ですが、何回寝てもその症状は治まりませんでした。本棚の本たちがすべて死んでいるように感じました。

    何日か経って、ブックオフに行きました。CDを見たあと、半ば諦めつつも文庫本のコーナーに向かい、何冊か好きな作家の本を開いては落胆し、そして何を思ったか『風の歌を聴け』を手に取り、衝撃を受けました。小説として文章を読むことができたのです。すぐにそれを持ってレジに向かいました(ブックオフというのがなんとも格好がつかないですね)。

    何を思ったか、という言葉を使った通り、私はそれまで村上春樹という作家ににほとんど興味がありませんでした。10年近く前に『ノルウェイの森』を読んで「なんだか都合のいいスカした小説だな」と感じて以来、氏の本を手にしていなかったのです。

    ですが村上春樹氏のデビュー作である『風の歌を聴け』は『ノルウェイの森』で染み付いた先のイメージは感じさせず、軽快で、ユーモアがあって、捻くれていて、どこか作者自身が突き放したような、そんな文章でした。

    正直、内容についてはほとんど覚えていません。内容よりもその文体に感動したからです。読むだけで心地よい文章には、これまでほとんど出会ったことがありませんでした。強いて言うのなら高橋源一郎の『さようなら、ギャングたち』に近いものを感じました。

    その本を読み終え、2作目である『1973年のピンボール』も楽しく読めました。そしてそこから少しづつ他の作家の小説も読めるようになり、いつの間にか例の症状は消え去っていました。

    さて、話しが随分逸れてしまいましたね。そんなわけで彼の書く文章は、無駄がなく、明瞭で、雑音がありません。エッセイも同じです。とにかく読みやすい。

    ただ内容については逆です。小説が、謎を残し曖昧な部分を含め丸ごと作品にしているのに対し、エッセイは謎などなく明瞭に書かれています。とても興味深い内容で、村上春樹氏がどのように小説に向き合っているかがかなり深いところまで描かれているのです。

    ただ、この本は多分小説を書いている人が多く読むのだと思うのですが、それを楽しむことが出来ても参考にはならないでしょう。

    既に多くの方が言っている通り、成功した人間の方法を知っても直接的な参考にはならないのです。そのやり方が成功したのはその人だからであって、他の人が真似しようとしたところで方法と資質が噛み合わなければどうしようもありません。

    それでも氏のやり方を読む意味があるのだとしたら、自分がそのやり方『以外』の方法を模索すべきだと分かるということに尽きるのではないでしょうか。そんなことを、この本を読んで思いました。

    ただやっぱり読んでいて納得する部分は多く、例えば『頭の切れる人と長く小説家を続けられる人は違う』ということ。例えば『人物に名前を付けるのに抵抗があった』ということ。例えば『自分で楽しむために書くことをコアに持つ』ということ。この辺りのことについては私が以前から朧げに思っていたことがスッキリと言語化されており「そうそうそれそれ!」となりました。詳しい内容については是非本を読ん読んでみて下さい。

    そうそう、この本は小説を書く上でのヒントにはならずとも、きっと読んだ人間を励ましてくれると思いますよ。

    余談ですが、特に名前に関しては伊藤なむあひ氏も作中の人物に名前をつけられなことで悩んでおり唯一自然に名前を付けられたのが『鏡子ちゃん』という女の子でした。

    鏡子ちゃんは『鏡子ちゃんに、美しい世界』という作品の中に出てくる、本の中にだけ現れる女の子です。ただこの小説はタイトルから思い付いたので先に名前が決まっていたという、例外みたいなものです。今度書くという長編では名前の問題はどうするつもりなんでしょうか。

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    さて、2回続けて小説以外の本だったので次はそろそろ小説を読みたい気もしますね。もしかしたらリチャード・ブローディガン『西瓜糖の日々』にするかもしれません。

    では今夜はこの辺で。


    代表 ヌネノ川


    | 隙間社的読書感想文 | 12:00 | comments(2) | - |
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      | - | 12:00 | - | - |
      ブローティガンは村上繋がりだったりするのかしら。
      今日もお腹がいっぱいになったわ。ありがとう。

      from ally
      | アリー | 2016/04/15 1:15 PM |
      こんにちはアリー。早速読んでくれて嬉しいです。ブローディガンは特に村上繋がりを意識した訳でなく、次は小説を読みたいと思ったときに気軽に読めそうな未読の小説がそれだったというだけです。ブローディガンは詩集しか読んだことがなかったので楽しみです。
      | 隙間社 | 2016/04/15 4:34 PM |